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こんにちは。

タイでの現地採用にも色々ありますが、このブログではタイの製造業、特に自動車産業で働くことをお勧めしています。
月給8万バーツ以上となり、現採としては比較的ハイクラスということになると思います。
ではこういった企業で働く場合実際どういう環境で働くのか、を僕の知る限りで書いてみたいと思います。

タイ資本ローカル企業
タイでは自動車産業の歴史が浅いとはいえ、それなりに大規模な自動車部品会社があります。
最大手はサミットグループ http://www.summitautogroup.com/
とタイサミットグループ http://www.thaisummit.co.th/en
で、両社は創業者が兄弟ですが別グループです。何れも年商1500億円規模で非上場のオーナー企業です。意外に小規模と感じられますでしょうか。日本だとデンソーのように数兆円規模の超大規模企業もあるので、比べると小さく感じますがタイでのサミットグループの存在感は大きいです。
これ以外にも年商数百億円規模の企業、企業グループがあり、何れも顧客は日系完成車メーカーが多く、また技術も日本から導入したものが多いので日本人が必要ということになります。
(完成車メーカーのことを通称 OEM とか OEMメーカー と呼びます。Original Equipment Manufacturer の略で、いわゆる他社ブランドに製品を提供するOEMとは異なります)。

こういった企業で日本人現採として働く場合、以前にも書きましたが以下のような職種となるかと思います。

■ 設計者(製品設計、研究開発)
■ 生産技術者(金型、設備、生産管理、品質管理)
■ 営業コーディネーター
※ 何れも管理職を含む
※ 給与面では8万~20万バーツ位(年齢・経験による)

タイローカル企業なので、当然ですが日本人は全員現地採用です。
実はこういった企業の日本人は以前の取引先からスカウトされて転職した人が多いです。
    取引先のOEMメーカーからの「天下り」的な転職
    日本の技術提携先からの転職
    仕入先の設備メーカー、素材メーカーからの転職
といったパターンです。元々駐在員だった人ということになります。

元駐在員が多いのは事実ですが、それだけでは人材が不足するので現地採用を行っている訳です。
元々自動車産業(自動車部品メーカー)出身でない場合は営業コーディネーターを目指すのが適当だと思います。英語またはタイ語がビジネスレベルであることが必要ですが、人材募集案件自体は多いです。

大規模な会社ですと、通常は設計開発・設備・営業等の要所に既に日本人(管理職)が居ることが多いですが、稀に日本人が1~2名だけ、というケースもあります。主に営業の場合です。
この場合同僚に日本人がほぼ居ない状態で働くことになるので、精神的に厳しい面もあります。

外資系企業
外資系の自動車関連企業では、米国、ドイツ、フランス、マレーシアなどがタイに進出しています。
以前説明したJobsDBというサイトで検索してみると、殆どのメジャーな自動車部品メーカーがタイで求人しています。
※ 自分の就職したいメーカーが明確に決まっている場合、もしもその企業がJobsDBで見つかったら、例え今求人していなくてもとりあえず手当たり次第応募する、という手もあります。

こういった会社の場合、技術的な面では本国からの支援がありますので、日本人技術者を必要とすることは少なく、主に営業コーディネーターを募集しています。担当者レベルだけでなく、マネージャ、ゼネラルマネージャとしての求人も多いです。
この場合はやはり英語ビジネスレベルが前提となり、タイ語ができるとさらに自分の武器になる、ということになります。
また日本人が少なく、上司、同僚などは外国人が多いという多国籍チームの中で働くことになりますので国際色豊かな仕事環境になります。
日本人が少ないというのはしんどい面もあります。チームワークが難しいということになりますが、自分個人の日本人としての力を発揮していく機会ともなりますので、外資系・海外で働きたいという志望を叶えることにもなるのではないでしょうか。

求人情報を見ていると、外資系企業の場合、時々ずーっと同じ求人が出ていることがあります。その場合、日本人を採用してもすぐ辞めてしまっているということが推定されます。
実際話しを聞いてみると、上司の性格が悪く、部下を「潰しにかかる」ような上司だったりしますので求人案件も注意して見る方が良いでしょう。

日系企業
タイには日系OEMメーカーが多く進出していますので、殆どの系列部品メーカーもタイ法人があります。勿論非系列メーカーも。
こういった企業では基本的に日本人の職務は日本からの駐在員でまかなう事が多いです。ですのでハイクラスの日本人現採のニーズは比較的小さいと言えます。

ただし、大規模企業を除くと、部品メーカーでは企業体力が比較的小さいですので、駐在員になれるような人材は欠乏気味です。
駐在員は3~5年程度のローテーションで交代することになりますが、話を聞いてみるとタイの前はインド駐在、その前は北米で、タイの次はメキシコ・ブラジルに行くことが決まっている、、、とか。
駐在員になれるような英語力と本来の仕事能力(技術・経理・営業等)を兼ね備え、なおかつ家庭環境(家族が赴任に同意するか)と海外法人を立ち上げて少人数でやっていくという強靭な精神力を持った人材は、例え日本の大規模メーカーであってもあまり多くないというのが実情のようです。
従って駐在員でタイに来ている人は引っ張りだこでずーっと海外法人を回っているというケースが多いです。
※ 管理人の個人的印象では、自動車関連の駐在員技術者は英語ができない人が多いです。英語ができなくても何とかなるということですし、英語ができなくても技術力などを重視して、とりあえず送り出す会社が多いのだと思われます。

こういった状況では日系企業といえども現地採用が必要となります。ただし求人情報を見ていると、給与6~8万バーツ程度で募集している案件が多いようで、この場合おそらく駐在員の補助的な仕事からスタートすることになるかと思います(管理人の推定です)。
仕事内容、給与面では面白くないかもしれませんが、逆の観点ではハードルが低いとも言えます。補助的な仕事からスタートして先々自分でバリバリ仕事を回していくというステップアップの機会になると思いますので、タイ転職のファーストステップとして検討しても良いのではないでしょうか。
また求人案件自体は7万バーツで募集していても、実際応募して自分の能力が認められれば10万バーツ(以上)で採用、ということも交渉次第で可能です。

上記何れの場合も、日本人求人については人材リクルート会社、JobsDB等の様々なチャネルで求人していますので、よく注意して情報をキャッチする必要があると思います。
大企業の場合少ないですが、職種によりフリーペーパーで募集していることもあります(トヨタ自動車のタイ法人はよく通訳兼秘書をWISEというサイトで募集していました)。

それでは、本日は以上にて。